いちご鉄道をもう一度

 
2018年7月新ダイヤを見る
毒田耕一

▲長沼駅で交換する上下列車。待たずに乗れるパターンダイヤの導入で利用客も増加傾向に。

定着した20分ヘッド
 今回の新ダイヤは2019年3月のJR線直通の大規模改正が控えているために2017年の20分ヘッドダイヤを基本に、沿線事情を反映させた比較的小規模なもの。しかし利便性は大きく向上している。
 今回のダイヤでは北岡駅基準で朝5:30から夜22:30まで完全20分ヘッドを実現。時刻表にはすべての時間、10分・30分・50分がきれいに並ぶこととなった。これは今回のだいやで学校前駅が標準停車駅に昇格したことですべての列車の所要時間が統一されたため。
 20分ヘッドダイヤの評判は上々で、沿線の移動に積極的に鉄道を利用する姿を見ることができるようになった。たとえ1区間190円でも、100人が利用すれば19,000円の増収! いちご鉄道にとってはとてもありがたいお客様というわけ。
 一方でチョット恨めしそうな顔をしているのがJR線内にある花関・古沢両駅の利用客かもしれない。同駅に停まるJR列車は1時間に1〜2本。その合間を縫って(?)いちご鉄道の列車が片道毎時3本通過するのだから「あの列車が停まれば北岡に早く着けるのに……」とチョッピリ恨み節も。
 しかしいちご鉄道の列車が両駅に停まるにはJRとの調整や営業面での運賃取り扱いをどうするか、また所要時間が伸びることで肝心のいちご鉄道線の旅客サービスが低下する懸念などから実施されずにいるようだ。

学校前駅が標準停車駅に
 これまで「特別駅」として朝夕通学時間のみの停車だった学校前駅が標準停車駅に格上げとなった。同時に区間快速の停車駅にもなって一挙に「二段階特進」!
 これは学校前駅反対側に大型ショッピングモール『ドャス!』が開店することに合わせたもので、鉄道利用の便宜を図るため、税込4,000円以上の買い物客には帰りのいちご鉄道線内の運賃を半額にするサービスも行われるとか。ショッピングモールの面積の多くを駐車場に取られてしまう不経済を少しでも解消したいというショッピングモール側と、少しでも旅客収入を上げたいいちご鉄道との思惑が一致した形。
 なお、所要時間は学校前停車にもかかわらず21分と、旧ダイヤの22分より1分スピードアップしている。これは全列車がハイブリッド式の高加速車になったため、運転曲線をキハF340形基準で引き直したためとのこと。

▲建設中の商業施設『ドャス』を横に走るキハF330。12月の開店後は学校前駅も賑わいを見せることだろう。

大池駅を北岡バスセンター駅に改称
 北国高速道路といちご鉄道の交点にある大池駅に隣接して高速バスのターミナルが造られたため、総合駅として大池駅を『北岡バスターミナル』駅に改称。鉄道駅がバス停の名前を名乗るあたりに地方鉄道の厳しさがうかがえるが、これによって乗り換え客の増加が見られればいちご鉄道としては文句なし。まさに名より実を取った?
 駅そのものは1面1線の停留場タイプでこれまでと変わらないものの、小ぶりながら駅舎が建てられ駅員配置駅に昇格。ディズニーランドへの直行便が設定されているのは新幹線にはない魅力とあって、リーズナブルに旅行したい若者を中心ににぎわいを見せている。

▲高速バスとの乗り換えが便利になった大池駅はバスターミナルの一部として機能。朝は渋滞する国道を避けてここから列車に乗るという新しい流動も生まれた。

北岡〜川東間終日全列車2両つなぎに
 キハF340形1両が増備されたことで、北岡〜川東間すべての列車が2両つなぎでの運行となった。これまでは日中、2/3の列車が単行運転で、時間帯によっては首都圏のラッシュ並みに混雑していたのでこれは利用客にとってグッドニュース。ラッシュ時は2両でもかなりの混雑を見せるのでこちらも増結をお願いしたいところだが、現時点ではホームが2両分しか整備されていないので難しいとか。
 なお、全列車が2両つなぎになったとはいえ〈スイートボックス〉のキハF230形には単車のキハF340形をつながなければならないし、故障や検査でキハF330形とキハF260形の連結を行う可能性があるなど、単車の重要性が薄れたわけではない。

▲ハイブリッド車だけで車両運用を回せるようになったため、車両運用効率が上がったことで2両化を達成。検査や運用次第では上のキハF330+キハF260のような混合編成も見られるかも。

〈スイートボックス〉片道1本に
 北国高速の開業で北岡〜川東間が大いに潤ったいちご鉄道だが、一方で観光バスが高速道とすみさとバイパスを経由するようになったため〈スイートボックス〉の利用客は大幅減少。ついには片道1本の運行となってしまった。
 それでも指定席車輌における『いちごミルクティー』のサービスは継続するとのことで一安心。最盛期には3往復設定されていたのにさみしい限りだが、どうにか巻き返しを図ってほしいところだ。
 なお、休日ダイヤでは〈スイートボックス〉キハF230形を利用した快速列車が川東〜澄里間に上り2本・下り1本設定された。こちらは自由席扱いで指定料金不要の乗り得列車。ただしいちごミルクティーのサービスはないのでご注意を。

▲新澄里駅に到着する〈スイートボックス〉。川東以遠は列車の削減が今回大幅に進んだ。

川東〜新澄里間大幅減便。平日は新澄里行きがなくなる
 好調な北岡〜川東間と対照的に明るい話題のない川東〜澄里間。今回のダイヤでついに日中の列車が全廃されてしまった。これは2019年3月の運動公園支線開業に向けての改革と思われるが、澄里町民にとってはちょっぴり不安な要素かもしれない。
 これまでは日中も1〜2時間に1本を確保していたが、澄里発で見た場合改正前の9本から3本に大幅減便。代行バスを合わせても7本にすぎず、改正前の鉄道のみの本数にすら届かない。
 くわえて、澄里〜新澄里間はさらに運行本数がすくなくなり、平日下りにおいては新澄里行きはゼロ、上りのみ2本というダイヤになっている。休日は〈スイートボックス〉や不定期の快速が運行されれるものの、それでも下り2本に過ぎない。
 代行バスは1日4本と変わらないものの所要時間を48分から40分に短縮するなど微力ながらサービス向上に努めている。
 日中列車の全廃によって、これまで最速37分、区間快速利用で41分で結ばれていた新澄里〜北岡間が、日中は代行バス利用で1時間21分までスピードダウン! もっとも澄里から北岡へは澄里バイパス・北国高速経由のハイウェイバスが40分程度で結んでおり、澄里の住人にとってはさほど不便にはなっていないとか。
 なお、この極端な減便は2017年の選挙で現職の町長が敗北し、鉄道の存続にさほど積極ではない新人町長が当選した影響もあるとかないとか。澄里地区の撤退も視野に入れているいちご鉄道にとっては、この政権交代は願ったりかなったり?
 一方、この新ダイヤで鉄道ファンにとっては見逃せない新列車が設定された。それは川東〜澄里間に運転される貨物列車で、経由の受け渡し駅が澄里から川東に代わったため、川東から澄里まで軽油を輸送るする必要が出たためだ。
 牽引機は自動ブレーキ装備が原則なのでハイブリッド車ばかりのいちご鉄道の中で唯一自動ブレーキを装備しているキハF230形の出番! 〈スイートボックス〉キハF230がタキ1両をけん引する姿はさっそく鉄道ファン注目の的になっている。

▲給油施設が澄里から川東に移動したたが、一部車両はこれまで通り澄里で給油を行うため、軽油輸送車両が必要となった。そこで10日に1回程度、川東〜澄里間に軽油輸送列車が設定されることとなった。


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