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湘南ストリームライン

 
820形

基本性能
編成:8211(cMP)+8212(cMCS)
重量:33.5+33.0
モータ出力:MB-3020(125キロワット)×4/両 ギア比:4.21(WNドライブ)
制御器:抵抗制御 ABFM-148-15VDH(1C8M)
ブレーキ方式:HSC-D
加速力:54キロまで3.3キロ/秒
減速力:常用4.0キロ/秒 非常4.5キロ/秒 最高速度:110キロ
■閑散区間の改善
 820形はストリームラインの末端区間、小磯線および寒川〜伊勢原間のローカル電車をワンマン運転するためにつくられた車両です。ストリームラインは70〜80年代は平塚線・寒川線の輸送力増強に追われ、支線区の車両はSL-2やSL-3といった冷房のない旧型車両で運行していました。しかし、同じ賃率の運賃をいただいている以上、支線だからといってサービスが悪いままで良いということはありません。そこで、SL-6の製造で余剰が出始めていたSL-4をベースに、支線区で使いやすい2両編成の車両を造ることになりました。
 ローカル用の車両なのであまりお金がかけられないために、廃車が進行中のSL-4の中から比較的経年の新しい1C8M車(ABFM-148-15VDH)を選んで2両固定編成を5本製造しました。1C8M車は1両をのぞいて中間車両のため運転台の設置が必要ですが、これは廃車になった1C4M車の先頭部分を切り取り、1C8M車に接合する「ニコイチ方式」で改造しました。お金をかけないなら1C4M車の2両編成でもいいような気がしますが、複電圧対応の1C4M制御器、ABFM-144-15VDHは4個モータ永久直列制御のために電気の無駄が多い(1500ボルト時は実質ABFだしねえ……)ばかりでなく、発電ブレーキの効きも今ひとつだったため、今後に禍根を残さぬよう1C8M車を選んだというわけです。
 モータはMB-3020(125キロワット)。ギア比4.21は種車のままですが、1コント車両でギアリングを低速側に降ると、雨天の際に激しく空転してしまうことが懸念されます。そのためギアリングは高速側。さらに雨天時のために限流値減NFB(290アンペア固定)を追加しています。このときの加速力は2.0キロ/秒まで落ちますが、電圧が900ボルト程度までドロップしても(さすがに小磯線でもそこまではドロップしませんが)走れるようになっています。
 ブレーキは SL-4のものを流用しているのでHSC-Dですが、部品供給が事実上停止した今、今後どうするかを検討しなくてはなりません。
 1C8M車ということで、パンタグラフは1号車に2基搭載といきたかったのですが、分散型クーラーを採用している手前スペースが捻出できず、やむを得ず各車1基搭載となりました。


SL-4の制御装置を流用し登場した820形。見た目はSL-4を2両編成に短縮した感じですが、10両中9両は中間車に運転台を接合しています。

アルミボディへの換装
 とにもかくにも820形は1989年から順次、伊勢原ローカルや小磯線に投入され、支線区の冷房化をすすめます。このとき、伊勢原ローカルは700形3連を820形2連で置き換えたため一時的に混雑率が上昇し不評を買いましたが、後にダイヤを変更し、700形の毎時3本(時間9両)から820形の毎時4本(時間8両)として輸送力の減少を最小限に抑え、なおかつ朝夕のラッシュ時は6両編成の準急を新設することでサービスレベルを維持するなどして対応。その後はワンマン対応機器を搭載する程度で大きな変化はありませんでした。
 そんなこんなでローカル区間でワンマン運行を開始した820形ですが、2005年に降ってわいたような車体更新が行われます。SL-6がホームドア対応となるために車体をまるごと乗せ替える工事が始まり、余ったアルミボディ(高価です)を鋼製車体の820形や原宿線用の880形に再活用しようということになったのです。海沿いを走るストリームラインにとって腐食は頭の痛い問題。鋼鉄製の電車が生き残ってアルミ製の電車が解体されるというのも腑に落ちない話ではないですか。
 そんなわけで、SL-6のボディにSL-4の足回りをくっつけるという乱暴なことをしてしまいます。しかし、エアコンはSL-6の更新に使われてしまったのでSL-4から流用。その際屋根を切り飛ばして作り直したのでエアコンをやや中央に集めることで横浜側先頭車にパンタを2基載せることができました。 なぜそこまでダブルパンタにこだわるのか。

それは……かっこいいからだ!

 もとい、パンタグラフは車両の端、しか銃身よりもかなり高い位置につくため、カーブにおける回転モーメントに大きな影響をあたえます。つまりヨーイング発生の元と考えているわけです。そりゃ新幹線みたいにロングホイールベースにすりゃ話は別なんでしょうが、湘南ストリームラインはカーブが多いため台車間距離12,360ミリ、ホイールベース2,100ミリが基準です。そうなるとパンタグラフとはいえ回頭性に悪影響を与えます。したがってヤジロベエの原理で、パンタグラフを両端につけ、重量のバランスをとることが乗り心地の向上につながるというわけです。そこまで考えるのがストリームラインなのです。まあ、かっこいいからという理由もないわけじゃないですが。
 台車はSL-4からの流用なのでKD-63シュリーレン台車。古い台車で重たいのが玉に瑕でははありますが、乗り心地に関しては今でも充分通用する優れた台車です。

 車体こそリニューアルされましたが、床下機器はこのように1970年代に造られたABFM制御器やHSC-Dブレーキのまま。モータもMB-3020が相変わらず唸りを上げています。しかし、現時点で820形の置き換え計画はありません。
 現在のストリームラインでは部品の枯渇により早期の置き換えが必要なCFMグループ、すなわちSL-5とSC-1、SC-2があり、これらの淘汰が一段落しないとABFMグループの置き換えに手が付けられない状態となっているのです。しかも、これらCFMグループ淘汰後には初期MAPグループ(SL-6、SC-3)が老朽化を迎えることが予想されており、走行距離がさほどでもなく、メインテナンスが容易なABFMグループは今後も使い続けられる見込みです。

小磯線と寒川〜伊勢原間の普通電車はワンマン運転を行うため、相応の設備を用意しています。

ローカル用として重宝
 さて、820形は閑散区間のワンマン運転用に作られています。そのため小磯線では先頭車前と後ろのみをドア扱いできるドアスイッチを追加工事で装備。運転台後部には運賃箱と運賃表を設置しています。車内はロングシート(というより、ストリームラインにはクロスシートの車両がそもそもありませんが)で、SL-6の車体に載せ換えた際に車椅子スペースが追加されています。また、冷房を流用する際に天井をいじったついでに三菱電機謹製のラインデリアを装備しています。
 運用は小磯線と寒川線寒川〜伊勢原間のほか、早朝の出庫回送をかねて新鵠沼〜平塚間の特急(2013年までは急行)を片道1本担当しています。

ローカル用として性能的には十分、旧式の機械ではあるものの、半導体の供給枯渇でてんやわんや言っているCFM車に比べ、部品の修理が比較的簡単なABFMグループは、だましだましながらも当分の間使われそうです。なお、A作動弁の供給停止により、HSC-Dの自動ブレーキ帯は使用停止措置がとられています。もっとも、実際に使うことなんてこれまでありませんでしたが。

サマンサ 2013-2014 -2014
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