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湘南ストリームライン

 
950形
■基本性能
編成:9511(cMP)+9512(MCS)+9513(MP)+9514(MCS)+9515(MP)+9516(cMCS)
重量:32.1t+34.5t+31.0t+32.5t+31.0t+33.0t
モータ出力:MB-5085(140キロワット)×4/両 ギア比:5.85(WN)
制御器:MAP-158-15VH1(1C8M)
ブレーキ方式:SME(応荷重装置なし)
加速力:54キロまで3.3キロ/秒
減速力:常用4.5キロ/秒 非常4.5キロ/秒 最高速度:110キロ
■ラッシュ専用車ながらも汎用車として
 ストリームラインでは特急用のSLシリーズ、普通電車用のSCシリーズ、ラッシュ用のSSシリーズ、ワンマン用のSBシリーズの4種類で運用を分けています。このうちSSシリーズはラッシュ時のみの運行となるため、価格を押さえた車両を導入する必要があります。SSシリーズの担当である川村は、900形において他者からの譲渡という荒業で極めて低価格でSSシリーズの刷新を図りましたが、鋼鉄製ボディゆえに老朽化著しく、CFM制御器の代替部品が枯渇しつつあるSL-5を置き換えるために更なる車両増備が必要となりました。この車両には、予備車両が極めて少ないSL-6、SL-7の共通予備として、もしものときは特急としても使えるよう、市営地下鉄直通仕様を満たしていることも要求されました。
 車体はステンレス製、レーザー溶接によるフラットな側面が特徴です。側面はドア以外無塗装。これは川村が強く要求したことで、塗装によるメインテナンスコストの増大を押さえることを強く要求したためです。なお、扉の赤はラッピングを採用しています。ラッピングは塗装に比べ環境面で優位ですが、静電気によるホコリの付着が悩みどころです。
 正面は鋼鉄製。ただし塗装ではなくジンカート処理でまとめています。ジンカート処理は塗装やラッピングに比べて圧倒的に耐久性・耐光性に優れていますが、選べる色が12色しかない点や一度塗ったら変更がきかないなどといったデメリットがあります。川村は将来を考え、いろいろなシステムを950形で試してみたかったようです。
 制御装置はMAP-148-15VH1。モータはMB5085(140キロワット/1,890rpm)、ギア比は5.85でブレーキはMBS-Rという、まあなにも語ることのない無難なまとめ方です。編成内3コントでオールM。1C8Mでも3コントならまあ空転の心配は不要でしょう。
 これらの機器のうち、制御器はJRのCS85、モータはMT75、台車はJRでいうDT61を採用しています。これらが意味するのは、950形の足回りはJRで採用されている汎用品を使い、価格を下げていると言うこと。ストリームラインの走りは過酷ですが、それはあくまでも急加減速を強いられる普通電車や静粛性と高速性能を両立しなくてはならない特急車の話であり、多少の静粛性を犠牲にすれば、オールMが前提のストリームラインであれば、54キロまでの加速力毎秒3.3キロと最高速度110キロは簡単に両立するのです。


シルバー部分はヘアライン処理とダルフィニッシュで色の段差をつけ、ドア部分はラッピング、正面はジンカート処理というように、塗装をしないで色を表現するというのも、川村が950形で試みたことのひとつです。

それぞれが思い描いた未来
 側面の配置は横浜市交通局の基準に合わせ、幅1500ミリの両開きドアを片側3箇所に配置。地下鉄直通用のATCは廃車となるSC-5から流用することで制作費を圧縮しています。座席はSL-7のようなクッションの効いたものではなく、E233系などに使われている汎用品。室内灯も間接照明をやめてむき出しのLED蛍光灯がレール方向に並ぶシンプルなものになりました。ラインでリアも省略する予定でしたがさすがにそれは勘弁してくれと三菱電機から泣きが入って装備されましたが、トレインビジョンは見事に省略されてしまいました。
 ここまで徹底してシンプルになった背景には、コスト削減もありますが、それ以上に川村は「今後贅沢が許されないであろう時代において、最適なコストパフォーマンスとはなにか」を模索していると言うのがあります。SL-7は確かに通勤電車としてはできすぎた快適さです。しかしそれは物理をねじ曲げ、有害物質で車体を塗装し、電気を無駄に食って得られたものであり、いくらそれが快適でも、社会的に許されない時代が来ると読んでいるのです。東日本大震災の際、川村はそれを強く感じたそうです。950形にはSL-7のような華はありません。かっこいいかといわれればかっこ悪い部類でしょう。それでもこのかっこ悪さは、ストリームラインの未来を掴むためのものです。
「かっこいいとは、かっこ悪いことに耐えられることだ」
 ストリームラインの伝統を守るために、未来のストリームラインはどうあるべきか。それを川村なりに形にしたのがこの950形なのです。したがって、ラッシュ時だけでなく、ある程度の汎用性をどうしても持たせる必要があったと言うわけです。
 確かに乗り心地はSL-6どころかSL-7にも遠く及びません。もちろん川村も「乗り心地なんてこの程度でいい」とは思っていませんが、資源を浪費せずどこまでSL-6に近づけるか、それこそが950形において川村が自分に課した挑戦でした。
 浜野が思い描いた未来の電車がSL-7なら、川村が思い描く未来の電車が950形なのです。

半導体というのは、電車の性能を飛躍的に引き上げた反面、経済的寿命が短いという欠点を持っています。1982年製造のSL-5(中央)の制御器に使われている半導体はとうの昔に生産を終えており、制御器丸変えか廃車かの選択を迫られている一方、機械部品だけで構成されている足元は1968年製造820形は、鵠沼工場程度の技術力で何とか支ることができるのです。
 
CFM車、鋼製車の置き換えに
 950形は2012年に登場し、現在6両編成が2本配置され朝の通勤特急や区間準急などに使用されています。今後も毎年2編成程度投入し、8編成あるCFM系のSL-5を置き換えていく予定ではありますが、同じCFM系のSC-1、SC-2の置き換えも急がなくてはならない(しかもこっちは高価なSC車だ!)ため、とりあえずは4編成程度運用させ、SL-5を共食い整備で活かし続けるといった泥沼的な手法に頼らざるを得ないかもしれません。
 そして、CFM車よりも古いけど、比較的整備が容易なABFM車である820形や800形が残り続けるのは、なんとも皮肉なものです……。

イニシャルコスト、ランニングコスト、ライフサイクルコスト……。鉄道車両は今後どのようにデザインされるべきか、川村は950形でそれを示したともいえます。一方で浜野が携わったSC-4はまた別の形で、ストリームライン車両の今後のあり方を示しているのです。

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