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湘南ストリームライン

 
SC-1(500形)
基本性能(現在)
編成:5011(cMP)+5012(MCS)+5013(MCS)+5014(cMP)
重量:38.5+37.5+37.5+38.0
モータ出力:MB-3064-AC(145キロワット)×4/両 ギア比:4.82(WNドライブ)
制御器(量産車):サイリスタ・チョッパ制御方式 CFM-228-15RH2(1C8M)
ブレーキ方式:HSC-R
加速力:54キロまで4.5キロ/秒(混雑率250%まで一定)
減速力:常用4.0キロ/秒 非常4.5キロ/秒 最高速度:110キロ(認可100キロ)
■あらまし
 三菱電機は次世代の車両システムとして、電機子チョッパ制御装置を製作しました。これをデモ路線である湘南ストリームラインに投入し、電機子チョッパ制御の売込みを図ろうと画策しました。このシステムが提案された当時、ストリームラインは地下鉄直通の車両であるSL-4の製造にてんやわんやで、新しい制御装置を保守管理する余裕などなかったのですが、導入費用の一部を三菱電機が持つということで導入に同意し、SL-4とは別ブランドの新シリーズ、SC(ストリーム・チョッパ)シリーズの1号車、SC-1と命名されました。
 ストリームラインとしてはSC-1をどのように活用するか当初は悩みあぐねいていましたが、駅間距離の短い普通電車用に電機子チョッパ制御は最適であるとの三菱電機からの提案により、普通電車用の味付けがなされることとなりました。当時の計画中の特急用車両SL-4が地下鉄線内での加速力とストリームラインでの高速性能を両立させるためバーニア制御のオールM3連という編成で計画していましたが、三菱電機によればSL-4と同等性能を2M1Tで確保できるというのが売りでした。2M1Tで加速力3.2キロ/秒、最高速度100キロが可能とあればストリームラインも電機子チョッパ制御の導入に前向きとなります。ただ、未知の技術のためにいきなり量産車には使用せず、まずは試作車両として投入することが決まり、1968年7月に、近畿車輛から5011+5012のcMP+MCS編成がロールアウトしました。


18メートルながら片側4ドアのフォーマットとなったSC-1。このときストリームラインには普通電車のスピードアップによるダイヤの底上げを考えていました。

18メートル4ドアというフォーマット
 SC-1はストリームラインでは初の18メートル4ドアで登場しました。これは普通電車専用車両として乗降時間をできるだけ短くする目的があります。実際SC-1と810形が連結して走っていたとき、4ドアのSC-1と2ドアの810形では、10秒以上の圧倒的な乗降時間の差が生まれました。
 正面形状はどういうわけか地下鉄への乗り入れを考慮しない非貫通タイプとなり、また製造費の高騰を抑えるため流線型ではなく切妻となりました。おそらく「SC-1」という命名は「ストリームラインの本流であるSLシリーズではない」というアピールだったのかもしれません。もっとも切妻に関しては810形など特急以外の車両にはけっこう採用されていたりするのですが。
 車内はロングシート。座面高さ430ミリ/ひとり当たり幅430ミリ奥行き500ミリと徹底的に切り詰められた構造になっています。これは普通電車専用ということで「普通電車に長時間乗る乗客はいない」という前提から、収容力を優先したデザインとなっています。SC-1のデザインはこの当時の状況であればそれなりに合理的な選択だったのですが、21世紀になって「ホームゲートを設置できない」という問題を生んでしまったのは罪なところです。

デビュー当時のt(スモールティー:中型車のトレーラー)を2両ぶら下げてのデモ走行。2M2tでも比類なき粘着力で加速力3.2キロ/秒をたたき出し、電機子チョッパ制御の威力を関係各社に見せ付けましたが、そこからの道のりはたいへん険しいものでした。

試行錯誤
 試運転では旧型車のt+ctをぶら下げた2M2Tでデモ走行を行い、三菱電機の言うようなSL-4の4M編成と同等性能をたたき出し注目を集めました。しかし、いかんせんまだ未成熟な技術なため、入線から半年はまともに走ることができませんでした。
 チョッパ装置そのものは三菱電機が営団地下鉄で試験した実績をもとに作られたものですが、営団地下鉄では各種試験でマンパワーを割けないとの理由でストリームラインでの実験が決まったようです。
 納品時の5011号車はカソードパルス方式でした。三菱電機としては回路がシンプルなカソードパルス方式を推していましたが、現実問題カソードパルス方式は主回路に流れる電流値が大きく、これに耐えられるトランジスタが高価でかつ歩留まりの悪いものだったので価格面で折り合いがつかず早々に放棄。就役から数ヶ月で5011号車の主制御器は反発パルス方式となりました。いきなりの茨の道です。
 さて、サイリスタ・チョッパ制御のキモは高耐圧・大電流に耐えうる機器があるかどうかです。これについては三菱電機がそれこそ毎日のように耐圧を上げた試作品を納品し、改良を加えていきました。当初は500ボルト耐圧だったのが、就役から6ヵ月後には1200ボルト350アンペア/4相のものに切り替わるという進歩っぷりでした。
 しかし一方でトラブルは耐えません。モータは近鉄などで実績のあるMB-3064を採用しました。電機子チョッパ制御は直流直巻モータがそのまま使えるのが売りでした。実際起動から40キロくらいまでは満足のいく走りをするのですが、抵抗車で言うところの並列最終あたりからトルクが思うように出なくなります。MB-3064はもともと弱め界磁率15%をとって高加速性能と高速性能を両立させる低速重視のモータだったのが仇となります。チョッパ制御の場合むしろ、中速以降のトルクが重要だということになり、急遽「制御器の特性にあった直流直巻モータ」が必要となります。
 中速域の特性を上げるには、定格出力を上げるのが適切な方法です。MB-3064の定格回転数1,500rpm(マックス5,000rpm)では、中速からのトルクが不足してしまったのです。そこで、定格回転数2,400rpm(マックス5,000rpm)のMB-3064-AXを試作。出力も145キロワットから160キロワットに向上しています。これにより低速はチョッパの粘りで加速を維持し、高速は高回転で回すというセッティングが決まりました。副次的高価としてモータ出力を上げた分ギア比を下げることができ、結果として回生ブレーキの領域が広がり、当初は発電ブレーキ併用だったものが発電ブレーキを外すことができ、その分の軽量化が可能となりました。
 こうしてだんだん「走り」はブラッシュアップされていったのですが、今度はサイリスタが出す高調波が信号回路と干渉する問題が出てきました。これらを解決するのにさらに1年を要し、営業運転につくことができたのは1970年3月のことでした。しばらくは試作車2両にSL-2のt+ctをHSC改造した4連で運行していましたが、この2M2t編成でも加速力は余裕の3キロ越えをしており、電機子チョッパ制御の粘着性能の高さに現場は驚愕する一方、総務はSL-4の3両編成よりSC-1の2両編成のほうが高いという車両価格に驚愕するといった一幕もありました。
 

810形と連結したSC-1。性能評価が出るまでは試作2両のみの陣容でしたが、性能の見極めが終わると4連5編成20両の陣容となりました。

オイルショックとSC-1
 最終的に固まったSL-1の仕様は、モータはMB-3064-AC(160キロワット)×4、制御器は1C8MのCFM-224-15RHで、cMP車とMCS車の2両ユニットを組みます。ブレーキはHSC-R。三菱電機がこだわった部分です。高額な電子機器を多数使ったチョッパ装置が商品としてのアドバンスを得るためには、ランニングコストで有利な点をアピールできなければ話にならない。だから無接点化によるメインテナンスコストだけでなく、回生ブレーキによるランニングコストの低下も実現しなくてはならないと主張し、回生ブレーキの装備を強く勧めてきたのです。
 この装備は1973年のオイルショックの際に注目を浴びます。当時はたまたま連結相手がおらず、810形と組んで4両編成で運行していましたが、普通電車での運用時に回生率が40%に迫る好成績で、節電しても性能が落ちないというのが大きくアピールされました。オイルショックがなければSC-1はこの2連1本で終わっていたかもしれません。オイルショックを機会にストリームラインはSC-1の量産を決定。最終的には4連5本20両の布陣となりました。もっとも量産と言っても高価な車両なので、年2編成が限度というわけです。
 また、副次的な効果として、ラッシュ時の電圧降下がある程度抑制できるというのも発見でした。最混雑時間帯に効果的にSC-1を投入することで効果的に回生ブレーキを活用し、電力量の増加を抑えつつ輸送力の拡大が可能となりました。SC-1は高価な電車でしたが、ストリームラインは価格以上の価値をSC-1のシステムに見出し、普通電車専用車両としてSCシリーズを充実させていく方針を定めました。

制御機器の載せ替えや冷房改造で現在も20両全車両が活躍するSC-1ですが、老朽化の進行やチョッパ制御の部品枯渇などの問題から、2013年度より順次、新形式のSC-4に置き換えることが発表されています。

冷房改造・機器交換・そして
 SC-1は導入価格こそ高価でしたが、ストリームラインの普通電車としては上々のシステムでした。その後はSC-1の欠点であった起動時の電流食いを改善(モータの定格速度を下げ、チョッパと弱界磁制御を連続的に行う)したAVFチョッパ制御となったSC-2が1980年から製造され、普通電車はすべて高加速車で揃えられる見通しが立ちました。80年代も後半となると冷房が装備されていないSC-1の評判がイマイチとなり、あわせてチョッパ装置も陳腐化してきたので、1986年より機器の交換と冷房改造が始まります。要目は、チョッパ装置の無接点化、高効率化を追求した4象限チョッパ制御を三菱電機の推奨に従い導入。冷房もインバータ方式の集約分散式を搭載しました。
 2500ボルト耐圧1500アンペアという大容量の半導体にものを言わせ、力行からブレーキまでを完全にシームレスで制御できる4象限チョッパ制御装置CFM-228-15RH2は、現在最新型のSC-3とまったく乗り心地ににひけをとらない高性能な制御装置です。
 そんなこんなで走行機器も一新し生まれ変わったSC-1ですが、さすがに製造から40年が近くなり、車体の老朽化も進んできたため、2013年度から新形式SC-4を建造し、順次置き換えていく予定です。

2011年11月から三菱電機の要請により5011編成がSiC-VVVFインバータのテスト車両として使われました。試験の結果はまずまずで、2013年度から投入されるSC-4はSiC-VVVFとPMSMの組み合わせになります。しかし、テストを終えた5011編成は、SC-4第1編成登場と入れ替わりで引退の予定です。

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