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湘南ストリームライン

 
SL-6(250形)

 
■基本性能
編成:2511(cMP)+2512(MCS)+2513(MP)+2514(MCS)+2515(MP)+2516(cMCS)
重量:33.5+32.5+33.0+33.0+33.0+33.0
モータ出力:
第1〜3編成:MB-5020(150キロワット)×4/両 ギア比:4.21(WNドライブ)
第4〜10編成:MB-5134(120キロワット)×4/両 ギア比:5.45(WNドライブ)
制御器:
第1〜第3編成:MAP-158-15VA1(1C8M)
第4〜第10編成:MAP-128-15VB1(1C8M)
ブレーキ方式:MBSA-1A(停止電気ブレーキつき)
加速力:77キロまで3.3キロ/秒(混雑率250%まで一定)
減速力:常用4.0キロ/秒 非常4.5キロ/秒 最高速度:130キロ(認可110キロ)
 SL-6(250形)は1989年に登場した特急用車両です。これまで毎時6本運転だった特急を毎時8本運転に増発用するためと、1971年に作られたSL-4(150形)の置き換えを目的に合わせて10編成が作られました。

■より静かな車両をめざして
 ストリームラインは海沿いを走る区間が長く、塩害に悩まされてきました。そのためSL-6では耐腐食性と無接点化を徹底的に推し進めることになります。車体は近畿車両より提案された押し出し材によるアルミボディとし、軽量化と耐腐食性を確保。床下機器は第1〜3編成がGTO-VVVF(MAP-158-15VA1)、第4編成以降がIGBT-VVVF(MAP-128-15VB1)となっています。
 当時のVVVFは磁歪音が耳障りで、快適な室内空間を提供する特急列車にはふさわしくないという考えがストリームラインの中にあり、あえて界磁チョッパ制御を採用する案もありましたが、ストリームラインは三菱電機のショウルーム路線であるという側面から古い技術を採用するわけにもいかず、「静かなVVVF」を三菱電機が提案することでVVVF制御となったいきさつがあります。
 とはいえ、静音化は簡単なことではありません。システム自体はGTOのスイッチング速度に限界がある以上、ギリギリまでスイッチング速度を上げ、パルスモードを減らし、モータを密閉化するといったコトくらいしか対応ができません。そこでストリームラインでは、モータを低回転で回すことによる騒音削減を狙います。具体的にいえば、大馬力モータ/ローギアードによる全軸駆動システムを取ることで、定格出力の高いモータであれば低回転でもそこそこのパワーを確保できると踏んだわけです。全軸駆動であれば地下鉄線内で必要とされる加速力も確保できます。
 こういった観点から、初期3編成ではMB-5020(定格150キロワット/3,200rpm)モータを採用。ギア比は4.21とセッティングし、定格にほぼ近い3,100rpmで時速110キロ運転を可能としています。一方で起動はモータの定格出力と全軸駆動にものを言わせて地下鉄で要求される加速力3.3キロ/秒を確保。この加速力が77キロまで維持されるというスペックになっています。数字だけで見ると中型車6両編成の総出力3,600キロワットはいかにもオーバースペックですが実際には全出力で走ることはなく、定格かそれ以下で走るのが基本。それゆえにモータに無理がかからずたいへん静かです。
 第4編成からはより高速にスイッチングできるIGBTが実用化したためIGBT-VVVFとなり、モータ出力もやや常識的な120キロワット/2,400rpmのMB-5134、ギア比5.45のオールMとなりましたが、やはり絶対的な音量は初期車より大きく、後に登場するSL-7ではふたたびギア比を高速寄りに振っています。人間贅沢するといけません。
 ところで、そこまで静粛性にこだわっているにもかかわらず、駆動方式がWNドライブであることに疑問をもつ向きもあるかもしれません。しかし低速域で大トルクを確実に伝えるにはWNドライブですし、技術の進歩によって低バックラッシ化もなんとかめどが立ったこと、定速度機構をふんだんに使うことによって惰性走行の時間を少なくすることで低騒音化は可能であると踏みました。なお、「ストリームラインは特急用でクラウニングがへたったギアカップリングを普通電車用に転用している」という根も葉もない噂がありますが、ノーコメントとさせていただければ幸いです。
 台車は信頼と実績の近車製シュリーレン台車KD-99S。究極の台車をめざして作られただけに、そのやわらかい乗り心地は特筆ものです。ブレーキは鋳鉄両抱き式で、ブレーキシリンダの圧力を分散することでソフトなブレーキを実現しました。もっとも、大半は回生ブレーキで停止するのであまりそれを実感することはありませんが。
 このほか、補助電源装置はSIV、コンプレッサはスクロール式を採用するなど徹底的に静音化にこだわった結果、通勤電車にしては過剰ともいえる静かな電車となりましたが、その分価格は派手に跳ね上がり、三菱電機の実験線という大義名分がなければまず採用できないスペックとなってしまいました。


走行装置に予算を取られてしまったため、正面形状は直線でまとめられた平凡なものとなりました。現在のようにアルミのムクをコンピュータ操作で削りだすような技術がなかったためやむを得ません。

アルミ車体とコストの戦い
 SL-6は前述のように、足回りに過剰なほどのコストをかけたために、そのしわ寄せが車体に来ています。ストリームラインの特急、ストリームライナーの先頭部は優雅な流線型が身上でしたが、SL-6ではそのような工賃をかける余裕はすでになく、直線で組み合わせた先頭形状となりました。それでも流線型にしたのは設計担当の浜野の意地ですが、「これなら切妻のほうがマシだ」くらいまで言われて相当へこんだそうです。また、側面は市営地下鉄との直通運転を考慮して直通規格に則った3ドアですが、ドアを車端によせ、乗り心地のよい車両中央部にできるだけ座席を配置するようにレイアウトされています。窓配置から想像できるように、懸案であるクロスシート車導入にも含みをもたせていたのですが、これは実現しませんでした。
 側窓はシュリーレン型2連窓。今更シュリーレン型ってのもどうかと思うのですが、価格的にこなれていたこと、アルミサッシュが露出せずすっきりしていることから採用されました。もちろんバランサー付きの一段下降窓で、全閉時は油圧にて窓を車体に押し付けてばたつきを防止しています。

地下鉄直通対策で車体を載せ換えたSL-6。改造予算は横浜市の都合ということで公金をふんだんに使えることから、曲面を存分にきかせた流線型として鬱憤を晴らしました。

高価な車両なのに……
 SL-6はストリームラインのフラッグシップトレインとして贅を尽くしたデザインとなり、正面形状はともかく設備面からはおおむね好評をもって迎えられましたが、2007年度を目標に市営地下鉄がホームゲートを設置するにあたり、ドア配置を市営地下鉄の3000形に合わせてほしい旨を「強く」要求されました。車両によっては新造から10年もしないうちに市営地下鉄に乗り入れができなくなる(=ラッシュ時以外使い道が無くなる)こととなってしまうため、SL-5こそ廃車してSL-7(300形)を代替新造するものの、機器類はまだまだ使えるSL-6は車体を乗せ替える大工事を行うこととなりました。これによって(お金の一部は市営地下鉄からでるともあって)やや貧相だった正面形状は鬱憤を晴らすようにカーブを描いたストリームライン(お金かかってます)にふさわしいものとなり、名実共にストリームラインのフラッグシップとなりました。この際、初期の3編成は機器をGTOからIGBTのMAP-158-15VA2に載せかえています。この3編成はSL-7を含めた全特急車両の中でも飛び抜けて静かな車両なので、ぜひ乗ってみてください。
 こうしてSL-6は装いも新たに特急・急行を中心に活躍していますが、製造から10年ちょっとのオリジナルボディをポイ捨てするのもしのびないので、先頭車20両の車体は小磯線用の820形と越山交通500系に、中間車のうち21両は原宿線用870形・880形に転用しています。


小磯線で活躍する820形。鋼鉄製の810形は車体の腐食が進んでいたため、アルミボディのSL-6のボディはまさにうってつけでした。現在5編成10両が活躍しています。
 

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