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湘南ストリームライン

大手私鉄になれなかったストリームライン

 横浜を拠点とするふたつの民鉄、湘南ストリームラインと相模鉄道。相模鉄道は1990年に大手民鉄の仲間入りをし、10両編成の電車がひっきりなしに走る重量級路線として成長しましたが、湘南ストリームラインは中型車4〜6両編成、本数こそは多いものの相鉄に比べ置いていかれた感は否めません。
 湘南ストリームラインはほぼ全区間JR東海道本線と並行しています。横浜ターミナルの立地は旧市街地を貫通するストリームラインにも分がありましたが、相鉄の横浜西口再開発で町外れだった横浜駅周辺が発展し、旧市街が衰退してしまいストリームラインのアドバンテージはなくなりました。現在はみなとみらい地区の再開発により盛り返し、ターミナルのにぎわいとしてはほぼ互角と言えますし、みなとみらい地区へ直行する湘南ストリームラインは、休日の旅客数に関しては相鉄に対して決してひけをとりませんが、通勤通学の流れでは、相鉄が横浜まで大きな需要で旅客を運ぶのにたいし、湘南ストリームラインにはいくつかのピークがあるのが特徴です。

都心のアクセスに弱いストリームライン

 湘南ストリームラインは歴史的な経緯から都心に自前の路線を延ばせず、弘明寺駅からは横浜市交通局に直通運転を行っています。この区間はブルーラインの電車と複線の線路を共用するため、ストリームライン、横浜市とも双方毎時12本までと本数の上限が決められています。日中は毎時12本でもなんとかなりますが、ラッシュ時は毎時28本中12本しか都心に直通できず、残りの14本は井土ケ谷駅で折り返しとしているのがひとつ目のネックです。井土ケ谷行きでも弘明寺駅でブルーラインの電車に乗り換えができ、アクセス自体は決して悪くはないのですが、乗り換えが一度加わるとどうしても抵抗が大きくなるのはしかたがありません。
 また、比較的線形がよく、最高速度110キロで走ることができる平塚〜大船間に対し、丘陵地帯を縫いながら走り、時速100キロがやっとの大船〜弘明寺間、地下線故に最高速度が時速90キロに抑えられる(昔はさらに遅い70キロでした)弘明寺〜みなとみらい間など都心部の線形が悪く、JRに比べ所要時間の点で不利なのも否めません。
 そのため都心まで太い旅客輸送を維持できずピークが山崎〜大船間となり、大船駅でJRに乗り換える流れが解消できずにいます。みなとみらい駅は横浜高速鉄道との乗り換え抵抗をできるだけ減らすために階段を最小限に抑えた構造としていますが、東京都心へ出るにはストリームライン、横浜市交通局、横浜高速鉄道、東急電鉄の4者の合算運賃となるために、運賃面でJRに対して優位に立てない状況です。
 このように、都心へのアクセスにアキレス腱を抱えているのがストリームラインの現状です。

都市開発に対するマンパワー不足
 ストリームラインはJR線と海岸に挟まれたきわめて狭いエリアが駅勢圏となっています。JRより山側の方々はわざわざJRを乗り越えてストリームラインを利用しませんので、集客の面ではJRに大きく水をあけられています。また、沿線は古くからの住宅が多く、言ってみれば町が成熟しているために開発の余地があまりなく、大幅な利用客増加は望めない状態です。
 それ故に宅地開発の収益を上げるため、1970年に寒川線沿線にストリームライン主導の沿線開発を行ったわけですが、直後に振ってわいたように発生した市内線廃止と地下鉄直通対応に労力をとられたためニュータウン計画は頓挫し、結果多数のデベロッパの参入を許していまい沿線開発のイニシアチブをとることができず、さらには本線の過密ダイヤの影響から都心直通列車の設定を思うようにできないこと、また本線へのアプローチを新鵠沼とした結果遠回りとなり、都心への所要時間の関係から辻堂駅でJRに乗り換える割合が多く、思うような成果を上げることができませんでした。
 また、丸山台地区の開発はその道に長けた京急電鉄と横浜市に完全に翻弄され、不動産収益を上げることはできませんでした。言ってしまえば不動産部門は負け続けでしたが、そのためバブル期に身の丈を超えた開発事業に乗り出すことができず、結果バブル崩壊によるダメージはほとんどなかったのは皮肉なところです。
 

政治力の不足
 開業当初から横浜都心部へのアクセスはストリームラインの生命線でしたが、弘明寺〜尾上町間を横浜市交通局に編入されてからというもの都心直通の政治力でイニシアチブを握ることができず、もどかしい状態が続いています。
 井土ケ谷線にしても横浜市の都市計画2号線として井土ケ谷〜藤棚町〜横浜〜神奈川新町間の答申をねじ込んだまではよかったのですが、競合となる京急電鉄との調整が付かず、そのうえ資金調達ができず横浜市からの横やりで市営地下鉄の計画線に組み込まれてしまう失態を演じたばかりでなく、2号線を諦め京急線との直通に方針を切り替えて京急との話し合いをもったところ、横浜〜南大田間は京急でも屈指の高密度区間で、ストリームラインの電車が入る余地はないと断られる始末。政治的な後ろ盾の弱さが、横浜都心部の営業政策に悪影響を及ぼしています。
 失態続きの都心乗り入れ政策の中で数少ないファインプレイは、地下鉄が市電時代に直通していた尾上町へ延長しない見返りとして桜木町への乗り入れ区間変更を認めさせたことと、(お金はストリームラインが出したとはいえ)吉野町駅に通過線を作り、急行運転を可能にした点でしょうか。もし乗り入れが関内までで地下鉄線内全列車各駅停車だったら、ストリームラインは息の根が止まっていたかもしれません。
 

それでも大手私鉄入りは目の前
 このように、湘南ストリームラインはさまざまな要因で、他の在京民鉄に肩をならべるまでには至っていません。とはいえ鉄道事業自体は輸送密度3,198,500人と大手私鉄と比べても遜色のない数字をあげていますし、定期外比率の高さ(65%)は極めて効率よく、かつ収益率の高い営業ができていることを示します。これはみなとみらい延長がなったときに急上昇(開業前で輸送密度2,561,280人、定期外比率55%)したもので、沿線価値の向上が途上なストリームラインにはまだまだ伸びしろがあるということでしょう。
 設備投資に関してはみなとみらい延長をもって鉄道部門ではひと段落しています。2002年に以降はグループ全体のブランド価値向上に、みなとみらい複合商業施設「ストリーム・ストリート」のオープンや、茅ヶ崎に新しいアウトレットモールを他社との共同で解説するなど、沿線価値の向上につとめています。
 悲願の大手私鉄への仲間入りは、すぐそこまで来ています。

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